鎌倉といえば、絶対おすすめ覚園寺です。
初めてお参りした時の感動がすご過ぎて勝手にパワースポット宣言しているのですが、Instagramを見ると他にもパワーをもらいに定期的にお参りされている方がチラホラいらっしゃるのでやっぱりパワースポットと言って良いのではと思っています。
しかし、調べれば調べるほどお寺やお寺にまつわる話は歴史が深く重みがあり、パワースポットなど軽々しく口に出せなくなってくる…そんなお寺です。
覚園寺とは
鎌倉時代の1218年(建保6年)に北条義時により建てられた大倉薬師堂を起源とし、その後1296年(永仁4年)に北条貞時が覚園寺としてお寺に改めました。
その後火災に遭うも足利尊氏によって再建されるなど、長い年月を乗り越えてきた歴史のある仏教寺院です。
その経緯は吾妻鏡にも記されています。
じっくり拝観したい覚園寺の文化財
木造薬師三尊坐像(重要文化財)
木造十二神将立像(重要文化財)
覚園寺境内(史跡)
大燈塔(重要文化財)
など。
覚園寺の特徴の一つは、十二神将像などの重要文化財が手を伸ばせば触れるくらい近いところから拝観できる点です。
(とはいえ、触ってはいけません)
しんと静まりかえった堂内で十二神将像をよーく見ていると、少しだけ残っている赤や緑の装飾の色を見つけることが出来て、「作られた当時はカラフルだったのかな」などと考えて作り手の息遣いが感じられるような気がしてきます。
境内どこをとってもオススメなのですが、個人的には卯年の十二神将像と薬師堂天井の丸龍を是非見て頂きたいです。
卯年の十二神将像はポージングがたまりません。また12体全ての表情もすばらしく、今にも動き出しそうです。
十二神将といえば頭上にその歳のシンボルを乗せているのが特徴ですが、強面なのに動物など小さいしるしを頭に乗せている姿がまた魅力的です。
薬師三尊坐像、十二神将像ともに滑らかな曲線の衣が今にも本当に風になびいて揺れ動きそうです。
天井の丸龍は狩野典信作でその横には足利尊氏の直筆の書があり、いつも見上げるたびにしばし日本の歴史に思いを馳せることが出来ます。
静かな薬師堂でゆっくり拝観しているせいか、他のお寺で沢山の人の中で慌ただしく拝観するのとはまた違った感覚で拝観することができます。
覚園寺の参拝はお正月がおすすめ
普段の覚園寺は拝観料を納めたら、寺僧の方の説明を受けながら巡るツアー形式のお参りになっています。
(拝観料500円 所要時間は50分程度)
なので、他のお寺のように好きな時に入って自由にお参りすることが出来ません。
ツアーの時間が決まっていて(入り口にタイムスケジュールの看板があります。1時間ごとの開催)、時間になったら寺僧さんから声がかかり、愛染堂付近に集まってツアーに向かいます。
入り口から一番近い愛染堂付近は撮影可能ですが、その先の受付から奥は撮影禁止です。
愛染堂
そんな覚園寺ですが、年に2回一般開放されて自由にお参りできる期間があります。
それが毎年夏の黒地蔵縁日の日とお正月です。
黒地蔵縁日では8月10日の0時から12時まで自由参拝になり、夜中の縁日にもかかわらず毎年大勢の参拝客でにぎわいます。
お正月は1月1日から7日までの9時~16時が自由参拝になります。
なぜお正月がおすすめかと言うと、黒地蔵縁日は混みあうのに比べ、お正月は初詣シーズンにもかかわらず人出が少なく鎌倉時代の古刹をじっくりと味わうことが出来るからです。
今年の初詣は1月1日の午前中に参拝に行きましたが誰もおらず貸し切り状態でした。
愛染堂でお参りをして、薬師堂に10分くらいはいたと思うのですが、全く他に人の気配もなく、帰るころにやっと1組来たので今年もじっくり薬師堂で心静かに過ごすことが出来ました。
昨年のお正月に初めて7日まで自由参拝ということを知って、1日から頑張って5日まで通い続けたのですが、その時も時間帯はバラバラでしたがいつも他の参拝客は多くても3組、私だけの貸し切り状態も何回かありました。
7日間毎日通うつもりで行く気満々で鼻息を荒くしていたのですが、5日目で薬師堂の十二神将さまに「もう来なくていいから」「帰って自分の仕事を頑張りなさい」といわれた気がして5日で止めました(笑)
鎌倉時代にタイムスリップした感覚が味わえる
覚園寺といえばご本尊をお祀りした本堂・薬師堂が印象的ですし、実際に薬師堂の中にいると不思議な静けさとパワーを感じる方も多いのではと思います。
まさに『THEパワースポット』と言った佇まいですが、個人的には受付から薬師堂に向かう参道から非日常的な雰囲気を感じます。
撮影禁止なので実際の風景をお伝え出来ないのがとても残念なのですが、受付から薬師堂に向かって季節の植物たちに囲まれた緩やかな上り坂の参道を進むと徐々に薬師堂が見えて来るのですが、ここで毎回フッと懐かしいような異次元のような感覚になります。
人の気配が少ないこともあってか、まるで今自分は鎌倉時代に生きている人物かのような、着物を着て草履をはいて静々と薬師堂に向かう自分がいるような、そんな不思議な感覚になります。
薬師堂の前には鎌倉時代から続く樹木でかながわの名木100選にも選ばれたイヌマキの樹が静かに迎い入れてくれます。
黒地蔵縁日やツアー参拝の時には入れる地蔵堂や千体堂がある敷地は、お正月には立ち入れないように仕切られていて、仕切りのための鉄のポールとロープがちょっと現代的でしたが、それもさほど気にならないくらい広々とした境内の雰囲気は素晴らしいものがあります。
仕事も始まり令和2年のお正月も過ぎ去ろうとしていますが、今回の覚園寺の自由参拝を逃してしまっても、覚園寺についてはまず最初はツアーで詳しい解説を聞きながらの参拝をおススメします。
季節ごとに境内の植物の表情も違うのでその後、二度三度とツアーや自由参拝などで訪れるとまた違った雰囲気に触れることが出来ると思います。
また覚園寺に興味が出てきた方は、下記の2サイトがとてもディープに覚園寺が描かれていておススメです。
覚園寺全般についてとても詳しく書かれています。このサイト1つあればOKくらい詳しいです。
川端康成が慕ったとされる覚園寺の鞘阿弥陀にからめて覚園寺のなかなか聞けない話が書かれています。
覚園寺 行き方と注意点
バスの場合
鎌倉駅東口改札を出て右に進み、東急ストアやスターバックスのそばにある京浜急行バス東口④『鎌20 大塔宮行』に乗り、終点大塔宮で下車(乗車時間は10分くらい)
大塔宮バス停で下車し、矢印の方向に進むと車1台通れるくらいの細い道があるのでそこを道なりに真っ直ぐ進み、10分くらい歩くと覚園寺です。他に道がないのでバス停からは分かりやすいです。
車の場合は要注意
覚園寺の駐車場はありますが、上記の道を進んだ途中にあり、車1台分の幅の道は対向車も意外とあります。
道の横は柵など何もない深めの川が続いていますし、対向車とのすれ違いは地元の人でないとかなり困難と思われるため止めておいた方が良いでしょう。
どうしても車でないと…という場合は、鎌倉宮近辺にいくつか小規模なコインパーキングなどの駐車場がありますが、覚園寺に向かう道程狭くはないですがそれでも大通りから鎌倉宮までの道も狭く、対向車と上手く譲り合わなければ進めなかったりそこにバスも来たりするので注意が必要です。
といういことで、やはりバスや徒歩での移動がおすすめです。
徒歩の場合
鎌倉駅から徒歩でも(個人差はありますが)覚園寺まで40分くらいです。
途中に休憩できるカフェなども点在していますし、鶴岡八幡宮はじめ荏柄天神社や源頼朝の墓など覚園寺以外の散策スポットも数多くあるので徒歩の移動も楽しいです。